<糖尿病について>
(1) 診断について
血糖検査を外来にて施行します。約30秒で結果がでます。また、尿検査も、施行します。尿糖の判定も数分で結果がでます。血液中のHbA1cを測定することで、過去1ヶ月から2ヶ月の間の血糖がどの程度であったのかを判定します。これらの検査のほかに、経口糖負荷試験を施行します。
(2) 合併症の判定
眼症、腎症、神経障害の3大合併症について、判定します。そのほか、血管閉塞、動脈硬化の程度についても判定します。
眼症は、眼底写真を撮影します。また、当院の紹介状を持って頂き、別途、眼科に受診してもらう場合もあります。
腎症は、尿検査を施行することで判定します。特に、尿中の微量アルブミン測定の結果を元に判定します。
神経障害は、神経伝達速度の測定、心電図測定により、判定します。
血管閉塞の程度を知る目的で、四肢の血圧測定をすることで、下肢への血流がどの程度存在するのかを調べます(ABIの検査と呼ばれています)。同時に、動脈硬化の程度を知る目的で、PWVの測定も施行します。また、頚部動脈のIMT測定を超音波により施行します。外来にてできるきわめて簡単な検査です。所要時間もABIとPWVを合わせても4−5分でできますし、IMT測定も、10分以内で完了します。これらの指標は、現在、最も、汎用されている、臨床指標といえます。
(3) 治療について
治療の基本である、食事制限、運動療法、薬物療法について懇切丁寧な指導を行います。食事にまつわる問題については、栄養士が直接指導します。運動については、理学療法士が直接指導します。薬物療法については、医師が直接指導します。薬物療法においては、経口剤のほか、インスリン投与が中心となります。インスリン投与は、臨床検査技師により、自己血糖測定の指導とともに、外来にて徹底的な血糖管理を行います。現在、超即効型インスリン、即効型インスリン、中間型インスリンを中心に、インスリン投与と自己血糖測定を指導しています.
(4) 動脈硬化症について
糖尿病は、動脈硬化症の発症に寄与します。ですから、コレステロール、中性脂肪、HDL−コレステロールの管理も非常に大事となりますので、同時に、これら脂肪の管理も外来にて施行します。血圧についても、その管理を強化します。また、腎保護の観点から、早期に、腎障害を発見し、薬物療法を施行します。特に、アンギオテンシン系の阻害剤の使用を早期に施行します。
家族のかたに、冠動脈疾患の方がいる、また、本人が、タバコを吸っている、年齢が、男性なら45歳以上、女性が55歳以上、体重が過剰であれば、それぞれ、動脈硬化発症の、危険因子となります。詳しい聞き取りを行い、適切な指導のもと、動脈硬化の進行を遅延させるべく、教育します。
別に、米国の研究から、年齢、血圧、コレステロール、喫煙歴から、10年以内に心筋梗塞になる率の計算式が出されていますので、各患者につき、現在の状況をお知らせし、適切な薬物療法、特に、アスピリンの使用について、ご相談差し上げます。脳梗塞の既往のある方には、脳CTを施行します。