<動脈硬化症について>
動脈硬化症についての診断と治療についてご相談さしあげます。
(1)動脈硬化症を増悪させる因子(危険因子)を以下に列挙します
治せるものがあれば、今からすぐ治せるように努力していきましょう
以下の因子は、健康診断でチェックされているものばかりですから、ご自身で判定できると思います。
以下の危険因子の数が多いかたは、動脈硬化症の検査を受けることをお勧めします。
1. 年齢が高いかた(男性45歳以上、女性55歳以上)
2. 喫煙をしているかた
3. 体重が超過しているかた(体重の指標に使われるBMIと呼ばれる数値があり、これが25以上、このホームページでも計算できますので、やって見てください)
4. 高血圧症のあるかた
5. 糖尿病のあるかた
6. 高コレステロール血症のあるかた
7. 高中性脂肪血症のあるかた
8. 低HDL-コレステロール血症のあるかた(HDL-コレステロールは善玉です。LDL-コレステロールが悪玉です)
9. 家族に、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)があるかた
(2)動脈硬化症の検査は以下に挙げたものがあります。
動脈硬化症の程度を診断します。また、血圧の高いかたは一日の血圧変動を測定し、特に、心筋梗塞が多いとされる早朝の血圧変動の解析をします。
別に不整脈のあるかたは、一日の心電図変化を測定します。
1. 血管年齢の測定(PWV)
2. 血管の詰まりの程度の判定(ABI)
3. 動脈の壁の厚さの判定(IMT)
4. 自動血圧モニター検査による24時間血圧変動の測定(ABPM)
5. ホルター心電図による24時間心電図変化の測定
(3)動脈硬化症が高じると、心筋梗塞、脳卒中を来たします。
患者さんの危険因子などから、将来心筋梗塞になる確率をはじき出します(あなたは10年後にこれぐらいの確率で心筋梗塞になりますという数値をお教えします)―――
それでは、その予防のために、あなたはアスピリンを飲んだほうがいいでしょうか?以下の要点からその質問にお答えします。
1. 年齢
2. コレステロール
3. 喫煙
4. HDL−コレステロール
5. 血圧
しかし、アスピリンを飲んではいけない人がいます。それは以下の人です。
1. 薬アレルギーのある人
2. 潰瘍がある人
3. 血液に異常があるなど、出血しやすい人
4. アスピリンを飲むと喘息になる人
5. 出産予定のひと、12週以内の妊婦の人
(4)血圧を下げるために守ってもらいたいこと
まず薬で下げようとせずに、できることから始めましょう。食事に関してのより詳細な点は、栄養士から直接お話差し上げます。
1. 正常体重の維持をしてください(BMIが、18.5から24.9の間に)
2. 一日の食塩は、6グラム以下にしてください
3. 速足運動を一日30分毎日してください。
4. アルコールは取り過ぎないようにしてください(日本酒は、男で1合、女で半合)
5. 食事のカリウムを大目におとりください(3500mgを一日あたり)
6. 果物と野菜を大目にしてください(コレステロールと飽和脂肪酸の多いものは避けて、不飽和脂肪酸の多いものにしてください)
(5)コレステロールが高い場合は、動脈硬化の危険因子が多いほど、低くコントロールしなくてはなりません。
一般的には、240mg/dl(悪玉のLDL−コレステロールで160mg/dl)以下のコントロールでかまいませんが、危険因子が、2個以下の場合は、220mg/dl(LDL−コレステロールで140mg/dl)とし、3個以上では、200mg/dl(LDL−コレステロールで120mg/dl)以下とします。また、心筋梗塞、狭心症のある人は、180mg/dl(LDL−コレステロールで100mg/dl)以下とします。
食事と運動療法からまずはじめて、それでも下がらない場合には、スタチンと呼ばれるお薬を使用します。